「最近の車は壊れない」は本当。でも見えない部分は確実に複雑になっている
ケンメリ、スプリンタートレノ、ビッグホーン、スズキ・ノマド、ハコスカと日本車を乗り継ぎ、その後はローバーミニ、旧型ディフェンダー110、VW T-Roc TDI、そして現在のFIATドブロまで、42年間クルマと付き合ってきました。
昔のクルマは故障の原因が比較的わかりやすいものでした。
オイル漏れ、オーバーヒート、ベルト切れ、セルモーター不良。
しかし現在のクルマは違います。
エンジンだけでなく、
- 自動ブレーキ
- 車線維持支援システム
- レーダーセンサー
- カメラ
- 電子制御ブレーキ
- 通信ネットワーク(CAN通信)
など、多数のコンピューターが常時連携して動いています。
実際、私自身も納車間もないFIATドブロでCAN通信エラーを経験しました。
車は突然始動不能になり、メーター内には複数の警告灯が表示されました。
結果的にはCAN通信系統の異常履歴が確認され、大きな故障には至りませんでしたが、その時に改めて感じたのです。
「現代のクルマは機械であると同時に電子機器でもある」
と。
そして、その電子化の流れは車検制度にも大きな影響を与えています。
今回は輸入車・ハイブリッド車オーナーが知っておきたい最新の車検制度について、実体験も交えながら分かりやすく解説します。
OBD検査とは何か?
近年の車検制度変更で最も注目されているのがOBD検査です。
OBDとは、
On-Board Diagnostics(車載式故障診断装置)
の略称です。
簡単に言えば、
車両コンピューターが記録している故障情報を専用診断機で確認する検査です。
従来の車検では、
- ブレーキ
- サスペンション
- 排気ガス
- ライト類
などの点検が中心でした。
しかし現在は、安全性能の多くが電子制御システムに依存しています。
そのため、国土交通省は対象車両に対してOBD検査を導入しました。
OBD検査の対象車は?
ここは誤解が多い部分です。
OBD検査は全車対象ではありません。
現在の対象は主に、
国産車
2021年10月以降の新型車
輸入車
2022年10月以降の新型車
です。
比較的年式の新しい車両が対象となっています。
私のドブロのような最新世代の輸入車も、この流れとは無関係ではありません。
今後は対象車種が増えていく可能性もあるため、輸入車・ハイブリッド車オーナーは制度を理解しておく価値があります。
「警告灯が消えた=安心」ではない理由
最近のクルマでよくあるのが、
「一度警告灯が点いたけれど、その後消えた」
というケースです。
ここで注意したいのは、
警告灯が消えても診断履歴が残ることがある
という点です。
ただし、
ここで誤解してはいけません。
OBD検査では、
すべての故障コードが車検不適合になるわけではありません。
検査対象となるのは、
- 自動ブレーキ
- 車線維持支援システム
- 排出ガス関連装置
など、国が定めた重要保安部品に関する故障コードです。
つまり、
「エアコンのエラーが残っていたから車検不合格」
という話ではありません。
しかし、安全装置や排出ガス制御に関わる異常は見逃されなくなっているのも事実です。
輸入車オーナーが注意したいポイント
輸入車は国産車以上に電子制御が高度化しています。
さらにメーカーごとに診断システムも異なります。
例えば、
- Volkswagen
- Audi
- BMW
- Mercedes-Benz
- FIAT
- Peugeot
などでは、メーカー専用診断機が必要になるケースがあります。
私のドブロのCAN通信トラブルでも、一般的な診断だけでは原因が特定できず、本部との連携による詳細解析が行われました。
輸入車の電子制御トラブルは、
「警告灯が消えたから終わり」
ではなく、
適切な診断設備を持つ工場で確認することが重要です。
ハイブリッド車も無関係ではない
輸入車だけの話ではありません。
現在のハイブリッド車も高度な電子制御で成り立っています。
例えば、
- HV制御コンピューター
- 駆動用バッテリー管理システム
- ABS
- VSC
- 衝突被害軽減ブレーキ
などが連携しています。
もちろんハイブリッド車が壊れやすいわけではありません。
むしろ非常に高い信頼性を持っています。
ただし、
電子制御が増えるほど診断の重要性が高まるのは事実です。
これは輸入車も国産車も同じです。
2026年に注目されるロービーム検査
もうひとつ知っておきたいのがヘッドライト検査です。
これまではロービームで基準を満たせない場合、
ハイビームによる検査で対応できるケースがありました。
しかし段階的な移行期間を経て、
2026年8月以降はロービーム検査が基本になります。
ここで注意したいのが、
レンズの黄ばみ
レンズ内部の曇り
LEDユニットの劣化
です。
特に輸入車はLEDヘッドライトユニットが高額です。
車種によっては、
片側10万円以上になるケースもあります。
車検直前に慌てないためにも、事前点検は非常に重要です。
私が考える「これからの車検対策」
42年間クルマに乗ってきて感じるのは、
最近の車検は
「故障してから対応する時代」から「予防する時代」へ変わった
ということです。
私自身が実践しているのは、
車検の2〜3か月前に
- 電子診断
- バッテリー点検
- ヘッドライト確認
を済ませておくことです。
特に輸入車の場合、
部品取り寄せに時間がかかるケースもあります。
余裕を持った点検は結果的に出費を抑えることにもつながります。
信頼できる整備工場との付き合いがますます重要になる
私が輸入車生活35年で学んだことがあります。
それは、
「どの車に乗るか」よりも「誰に整備してもらうか」の方が大切な場合がある
ということです。
最新の輸入車もハイブリッド車も、
高度な電子制御を前提に設計されています。
だからこそ、
- 正規ディーラー
- 輸入車専門店
- OBD診断設備を持つ整備工場
との関係は大きな安心材料になります。
まとめ|輸入車もハイブリッド車も「事前点検」が最大の防衛策
2024年から始まったOBD検査。
そして2026年のロービーム検査の本格運用。
車検制度は確実に変化しています。
しかし必要以上に不安になる必要はありません。
輸入車もハイブリッド車も、適切にメンテナンスされていれば本来は非常に高い信頼性を持っています。
大切なのは、
車検直前になって慌てるのではなく、
日頃から愛車の状態を把握しておくこと。
そして信頼できる整備工場やディーラーと良好な関係を築いておくことです。
私自身、ドブロのCAN通信トラブルを経験したからこそ実感しています。
現代のクルマは「壊れたら修理する」のではなく、
「診断しながら長く付き合う時代」
に入ったのだと思います。
輸入車でもハイブリッド車でも、正しい知識と適切なメンテナンスがあれば、これからも安心してカーライフを楽しめるはずです。

