英国車からドイツ車へ。35年の輸入車遍歴と私が「5年で乗り換える」理由

35年にわたる輸入車遍歴と、5年で乗り換える賢いクルマ選びの法則を解説するアイキャッチ画像 【名車再生】35年の愛車遍歴と輸入車ライフ
イギリス車からドイツ車へ。35年の経験から辿り着いた「5年周期」の乗り換えルールとは?

はじめに:輸入車に魅せられて35年。故障の不安や維持費の壁を越えて、なぜ乗り続けるのか?

気づけば、私のガレージには35年もの間、常に「輸入車」が停まっていました。

「輸入車って、すぐ壊れるんでしょう?」「修理代がとんでもないことになりそう……」

これから輸入車デビューを考えている方はもちろん、国産車を乗り継いできた方からも、よくそんな言葉を耳にします。たしかに、その心配は間違いではありません。私自身、35年の間に何度もレッカー車のお世話になりましたし、目の玉が飛び出るような修理見積もりに頭を抱えたことも一度や二度ではありません。

それでも、なぜ私は輸入車を愛し、乗り続けているのか?

それは、それぞれの国、それぞれのメーカーが持つ「車づくりの哲学(アイデンティティ)」に、国産車では味わえない強烈な魅力を感じるからです。ハンドルを握った瞬間に伝わる質感、高速道路での圧倒的な安定感、そして何より、ガレージにあるだけで心が躍るデザイン。

この記事では、そんな私が35年かけて歩んできた、泥臭くも愛おしい輸入車たちとの遍歴をご紹介します。

これを読めば、輸入車の「本当の魅力」と「リスク」、そして「保証切れ(車検)の壁を賢く乗り切るための戦略」が、元オーナーのリアルな目線でご理解いただけるはずです。

泥臭くも愛おしい、英国車との濃密な日々

私の輸入車ライフの第一章は、「イギリス車」から始まりました。伝統と格式を重んじながらも、どこか人間味あふれる(手がかかる)英国車たち。彼らとの日々は、私に「車の楽しみ方」だけでなく、「機械と向き合う忍耐」を教えてくれました。

すべてのはじまり「ローバーミニ」

私が初めて自分の愛車として迎えたのが、「ローバーミニ」でした。1989年式のキャブ車、もちろんマニュアルです。

筆者の初めての愛車である1989年式ローバーミニ(黒)の実車写真
輸入車ライフの原点となった1989年式のローバーミニ。手がかかる分、愛情もひとしおでした

7年間連れ添ったこの小さな英国車は、私のカーライフの原点です。キャブ車ならではの、その日の機嫌(気温や湿度)によって変わるエンジンの吹け上がり、ノンパワステのダイレクトなハンドリング。

「車を運転する」というよりは、「機械を操縦している」という感覚。壊れることも日常茶飯事でしたが、自分でパーツを探し、信頼できるショップで修理してもらうたびに、愛着が深まっていく……。

手がかかる子ほど可愛い。そんな言葉がこれほど似合う車はありません。

一生モノのタフな相棒「ランドローバー ディフェンダー110」

ミニの次に選んだのは、これまたイギリスの伝統工芸品のような車、「ランドローバー ディフェンダー110(ワンテン)」でした。

当時のフィルム写真を撮影したもの。ルーフラックとスノーケルを装備した、黒色の1990年モデル ランドローバー・ディフェンダー 110。
奇跡的に引き出しの奥から出てきた、当時のフィルム写真。1990年モデルのディフェンダー110。画質の粗さが、共に過ごした30年以上の歳月と泥臭い記憶を蘇らせます。

無骨なアルミボディに、はしご型のラダーフレーム。8年間所有しましたが、その圧倒的な存在感と悪路走破性は、他の追随を許しませんでした。

どこまでも行ける、どんな場所からも帰ってこられる。そんな圧倒的な安心感と、「一生モノ」の機械を所有しているという満足感。

ディフェンダーとの8年間は、私に「輸入車は単なる移動手段ではなく、人生の相棒になり得る」ということを教えてくれました。

転換点となった「ランドローバー ディスカバリー3」

英国車時代の最後に乗ったのが、「ランドローバー ディスカバリー3」でした。

筆者が過去に所有していた白いランドローバー ディスカバリー3のフロントフェイスの実車写真
英国車特有の色気と最新テクノロジーが融合した「ディスカバリー3」。現在の「5年ルール」を生み出す転換点となった一台です。

これまでの無骨な英国車とは一変、近代的なエアサスペンションや電子制御を詰め込んだ、まさに「魔法の絨毯」のような乗り心地。イギリス車特有の色気と、最新テクノロジーの融合に感動したのを覚えています。

しかし、この車こそが、私のカーライフに「大きな転換」をもたらすことになります。

あまりに高度に電子制御された機械は、保証が切れた途端に、維持費という名の「時限爆弾」へと変わる恐怖を知ったのです。

マイルールの確立と、質実剛健なドイツ車への挑戦

ディスカバリー3の素晴らしい乗り心地と引き換えに、私は現代の高度な電子制御がもたらす「維持費の壁」に直面しました。エアサスやセンサー類など、コンピューター制御の塊となった現代の輸入車は、昔のローバーミニのように「気合と懇意のショップでなんとか直す」というわけにはいかなくなっていたのです。

ディスカバリー3以降で決めた「5年周期」の乗り換えルール

この経験から、私は今後の輸入車ライフを心から楽しむための「一つの明確なルール」を定めました。

それが、「5年周期での乗り換え」です。

新車(または高年式の中古車)で購入し、メーカーの延長保証が切れるタイミング、つまり「2回目の車検(5年目)」を迎える前に手放す。これにより、突発的な高額修理のリスクを完全に排除し、同時に車検費用やタイヤ交換などの大きな出費も抑えることができます。さらに、5年未満であればリセールバリュー(買取価格)も比較的高く保てるため、トータルでの「持ち出し費用」を計算しやすくなるのです。

7年、8年と長く愛した初期の英国車たちとは違う付き合い方ですが、現代の輸入車を精神的にも金銭的にも「健全に」楽しむための、私なりの最適解でした。

ドイツ車の精緻な走りに驚いた「VWパサートバリアント & アウディA3セダン」

乗り換えのルールを確立した私が次に選んだのは、これまで経験したことのない「ドイツ車」の世界でした。

筆者が過去に所有していた白いVWパサートバリアントの実車写真
アウトドアにも大活躍したパサートバリアント。イギリス車から乗り換え、ドイツ車の「質実剛健」な走りと信頼性に衝撃を受けました。
ボンネットと助手席ドアを開けて点検中の白いアウディA3セダン。元オーナーである筆者が当時所有していた愛車のオリジナル写真。
筆者がかつて所有し、その質の高さから自身の「乗り換えルール」を破りそうになった愛車のアウディA3セダン。

選んだのは「VWパサートバリアント」、そして「アウディA3セダン」です。この2台は、私の車に対する価値観を根本から覆しました。

「オイルが漏れない」「まっすぐ走る」「高速道路でステアリングに手を添えているだけで矢のように進む」。 国産車なら当たり前のことかもしれませんが、泥臭い英国車を愛してきた私にとって、アウトバーンで鍛え上げられたドイツ車の「圧倒的なボディ剛性」と「緻密な機械としての完成度」は、まさにカルチャーショックでした。

質実剛健。ドイツ車は、ドライバーの意思にどこまでも忠実に、そして安全に応えてくれる「完璧な道具」だったのです。

先代の愛車、完成されたコンパクトSUV「VW T-Roc」

そして先日まで、私のガレージに収まっていたのが「VW T-Roc」でした。

グレーのフォルクスワーゲン T-Roc。屋外の駐車場に停車しているフロントビュー。
5年目の車検を前に、改めてその完成度の高さを実感させてくれるT-Rocのフロントマスク。

パサートやA3でドイツ車の虜になった私が選んだこのコンパクトSUVは、まさに「ちょうどいい」の一言に尽きます。妻と二人で乗っても全く狭さを感じさせない絶妙なサイズ感。TDI(ディーゼル)エンジンの力強いトルクと驚異的な燃費の良さ。

長距離ドライブでも全く疲れないシートの作り込みは、さすがフォルクスワーゲンです。「5年周期」のルールの中で、これほどまでに毎日を快適に、そしてアクティブにしてくれる相棒は他にありませんでした。

英国車とドイツ車を乗り継いで見えた「次なるクルマ選び」

ローバーミニから始まり、ディフェンダー、ディスカバリー、そしてVW、アウディ。 気がつけば35年。イギリス車とドイツ車だけを乗り継いできた私の輸入車ライフですが、T-Rocの「5年目の車検」という壁が少しずつ近づいてきた時のことです。

完璧なドイツ車の次に求める「新たな刺激」とは?

T-Rocをはじめとするドイツ車は、本当に「優等生」です。文句のつけようがありません。 しかし、人間とは贅沢な生き物で、あまりにも完璧な優等生と長く一緒にいると、ふと昔乗っていた英国車のような「ちょっとした遊び心」や「愛嬌」が恋しくなる瞬間があるのです。

もちろん、昔のように故障の恐怖に怯える生活に戻るつもりはありません。

これからのライフスタイルと輸入車選びの基準

「ドイツ車のような安心感と実用性を持ちながら、毎日ドアを開けるたびにワクワクするような、陽気でデザインコンシャスな車はないだろうか?」

これからのライフスタイルを考えたとき、次に選ぶべきは、質実剛健なドイツ車でも、伝統重んじるイギリス車でもない、「全く別の国の文化」を持った車ではないかと思うようになりました。

美味しい食事、情熱的なデザイン、そして家族やパートナーと過ごす時間を何よりも大切にする国。

実はすでに、私の心の中では「次期愛車の候補」が固まりつつあります。これまでの私の車選びの歴史を大きく覆す、全く新しい挑戦になりそうです。

まとめ:35年乗ってわかった「輸入車ライフの極意」

35年間、様々な輸入車と生活を共にしてきて確信していることがあります。それは「この世に完璧な車は存在しない」ということです。

故障が怖いなら国産車に乗るのが一番です。しかし、それぞれの国の文化や哲学が色濃く反映された輸入車には、リスクを補って余りあるほどの「人生を豊かにする力」があります。

「輸入車に乗ってみたいけれど、維持費が不安……」と一歩を踏み出せずにいる方は、ぜひ私が実践している「5年周期での乗り換え」という選択肢も検討してみてください。リスクをコントロールしながら、世界中の名車たちと暮らす喜びは、何物にも代えがたい経験になります。

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