気づけば、もう35年近く輸入車に乗り続けています。
最初の愛車だった1989年式のローバーミニから始まり、ランドローバー ディフェンダー110、ディスカバリー3、VWパサートバリアント、アウディA3セダン、VW T-Roc TDI――。
こうして振り返ると、自分でも少し呆れるほど、輸入車ばかり乗り継いできました。
もちろん、その間には楽しいことばかりではありませんでした。
突然の警告灯。
エンジン不調。
電子制御系のトラブル。
そして、思わず声が出そうになる修理見積もり。
それでも、なぜ輸入車を降りられないのか。
今回は、35年の輸入車遍歴を振り返りながら、私が辿り着いた「5年周期で乗り換える」というマイルールについて、本音で書いてみようと思います。
ローバーミニで知った「機械と付き合う楽しさ」

私の輸入車人生の原点は、1989年式のローバーミニでした。
もちろんキャブレター車、しかもマニュアルです。
今の車のように、キーを回せば常に完璧なコンディションというわけではありません。
寒い日は少し機嫌が悪い。
湿度が高い日は吹け上がりが変わる。
暖気後と冷間時で、エンジンの表情も違う。
そんな小さな変化を感じながら付き合う車でした。
今思えば、「運転する」というより「機械と対話する」感覚に近かったのかもしれません。
もちろん、故障もありました。
ですが、不思議と嫌にはならなかったんです。
部品を探し、ショップへ相談し、直してまた乗る。
そうやって手をかけるほど、愛着が深まっていく。
“手がかかるほど可愛い”
ローバーミニは、まさにそんな車でした。
8年間乗った旧型ディフェンダー110は“道具”だった

その後、私が乗り換えたのが、ランドローバー ディフェンダー110です。
今の洗練された新型ではなく、ラダーフレーム時代のクラシックディフェンダー。
正直に言えば、快適な車ではありませんでした。
重い。
うるさい。
高速では決して速くない。
夏は暑く、冬は寒い。
現代SUVと比べれば、不便な部分だらけです。
ですが、その不便さを含めて魅力的だった。
分厚いドア。
トラックのような運転姿勢。
無骨なボディ。
そして、「どこへでも行けそう」という圧倒的な安心感。
オンロードでは現代SUVに敵わなくても、悪路へ入った瞬間に見せる頼もしさは別格でした。
そして何より、存在感が凄かった。
駐車場に停まっているだけで絵になる。
あの車は、単なる移動手段ではなく、“相棒”という言葉が似合う車だったと思います。
ディスカバリー3で知った「電子制御時代」の凄さと怖さ

その後に乗ったのが、ランドローバー ディスカバリー3でした。
この車は、私の輸入車観を大きく変えた1台です。
電子制御エアサスペンション。
Terrain Response。
高い静粛性と快適性。
当時としてはかなり先進的で、まるで“魔法の絨毯”のような乗り心地でした。
特に長距離移動での快適性は、それまで乗ってきた英国車とは完全に別世界。
「ランドローバーがここまで進化したのか」と本気で驚いたのを覚えています。
ですが同時に、私はこの車で「現代輸入車の維持リスク」も強く実感しました。
エアサス。
各種センサー。
電子制御系。
便利で快適になる一方、故障時の修理費は昔とは比較にならないほど高額化していたのです。
ローバーミニ時代のように、「町工場で工夫しながら直して乗る」という感覚とは違う世界になっていました。
そこから生まれた「5年周期」という考え方
ディスカバリー3を経験して以降、私は輸入車との付き合い方を少し変えました。
それが、
「5年前後で乗り換える」
というマイルールです。
もちろん、すべての輸入車が5年で壊れるわけではありません。
実際、長く問題なく乗れる個体もたくさんあります。
ですが私の経験上、保証終了後あたりから、高額修理リスクが徐々に増えるケースが多く感じられました。
特に現代の輸入車は電子制御が複雑です。
そのため私は、
- 延長保証が切れる前
- 大きな消耗品交換前
- リセールが大きく落ちる前
このタイミングで乗り換えるようになりました。
すると、不思議なくらい輸入車ライフが気楽になったんです。
「次は何が壊れるんだろう…」
と不安を抱えながら乗るより、保証内で安心して楽しみ、価値が残るうちに次へ進む。
これは、現代輸入車との付き合い方として、自分にはかなり合っていました。
ドイツ車で知った「完成度」という価値観
その後、私はドイツ車へ移ります。
ドイツ車の精緻な走りに驚いた「VWパサートバリアント & アウディA3セダン」
乗り換えのルールを確立した私が次に選んだのは、これまで経験したことのない「ドイツ車」の世界でした。


選んだのは「VWパサートバリアント」、そして「アウディA3セダン」です。この2台は、私の車に対する価値観を根本から覆しました。
「オイルが漏れない」「まっすぐ走る」「高速道路でステアリングに手を添えているだけで矢のように進む」。
国産車なら当たり前のことかもしれませんが、泥臭い英国車を愛してきた私にとって、アウトバーンで鍛え上げられたドイツ車の「圧倒的なボディ剛性」と「緻密な機械としての完成度」は、まさにカルチャーショックでした。
質実剛健。ドイツ車は、ドライバーの意思にどこまでも忠実に、そして安全に応えてくれる「完璧な道具」だったのです。
先代の愛車、完成されたコンパクトSUV「VW T-Roc」
そして先日まで、私のガレージに収まっていたのが「VW T-Roc」でした。

パサートやA3でドイツ車の虜になった私が選んだこのコンパクトSUVは、まさに「ちょうどいい」の一言に尽きます。妻と二人で乗っても全く狭さを感じさせない絶妙なサイズ感。TDI(ディーゼル)エンジンの力強いトルクと驚異的な燃費の良さ。
長距離ドライブでも全く疲れないシートの作り込みは、さすがフォルクスワーゲンです。「5年周期」のルールの中で、これほどまでに毎日を快適に、そしてアクティブにしてくれる相棒は他にありませんでした。
35年乗ってわかった「輸入車との付き合い方」
35年間、さまざまな輸入車に乗ってきて、今はっきり思うことがあります。
それは、
「完璧な車は存在しない」
ということです。
壊れにくさだけを求めるなら、国産車は本当に優秀です。
ですが輸入車には、その国ごとの文化や哲学が色濃く出ます。
英国車には、人間臭さ。
ドイツ車には、機械としての精密さ。
イタリア車には、人生を楽しむ空気感。
それぞれに違う魅力があります。
もちろん、輸入車には維持費リスクもあります。
ですが、その特性を理解し、無理のない付き合い方をすれば、輸入車ライフは日常を驚くほど豊かにしてくれます。
もし今、
「輸入車に興味はあるけれど不安」
と思っている方がいるなら、私はこう伝えたいです。
完璧を求めすぎなければ、輸入車は本当に楽しいですよ。

