【名車再生】元ディフェンダー&ディスカバリー3オーナーが震えた。新型ディフェンダー110は「別次元」のランドローバーだった

新型ディフェンダー110の試乗レビューとディスカバリー3のエアサス比較アイキャッチ画像 【名車再生】35年の愛車遍歴と輸入車ライフ
ディスカバリー3のエアサスを知る元オーナーが、新型ディフェンダーの「別次元の進化」に迫る!

旧型ディフェンダー110。
そして、その後に乗ったディスカバリー3。

かつて私は、ランドローバーという“少し不器用で、でも妙に人間臭いクルマ”にどっぷりハマっていた時期がありました。

重たいステアリング。
高速道路では盛大に響く風切り音。
そして、ときどき点灯する警告灯。

今思えば、決して万人向けの車ではありません。

それでも、なぜか忘れられない。
不思議な魅力がランドローバーにはありました。

そんな私にとって、フルモデルチェンジによって誕生した新型ディフェンダーは、ずっと気になる存在でした。

そして今回、ついに新型ディフェンダー110へ試乗。

結論から言います。

これは、昔のディフェンダーとは完全に別物です。

かつての「無骨で手がかかるオフローダー」は、現代技術によって“極めて知的な万能SUV”へと進化していました。

旧型ディフェンダーとディスカバリー3を知る人ほど驚く

筆者が過去に所有していた白いランドローバー ディスカバリー3のフロントフェイスの実車写真
英国車特有の色気と最新テクノロジーが融合した「ディスカバリー3」。現在の「5年ルール」を生み出す転換点となった一台です。

私が以前所有していた旧型ディフェンダー110は、典型的なラダーフレーム車でした。

良く言えばタフ。
悪く言えば、かなり荒削り。

長距離では疲れますし、静粛性なんて言葉とは無縁。
個体によっては雨漏りに悩まされることもありました。

しかし、それでも愛着が湧いてしまう。

“機械を操っている感覚”が、現代車にはない濃さだったのです。

その後に乗ったディスカバリー3では、ランドローバー初期世代の本格エアサスペンションも体験しました。

当時としては衝撃的な快適性でしたが、今振り返ると、ボディの揺れ方やフワフワ感には時代を感じます。

だからこそ、新型ディフェンダーへ乗り込んだ瞬間、その進化に本当に驚きました。

「フワフワ感」が消えた。驚くほどフラットな乗り味

最も衝撃だったのは、オンロード性能です。

新型ディフェンダーは、従来のラダーフレーム構造ではなく、高剛性なアルミモノコック構造「D7xアーキテクチャ」を採用しています。

この恩恵は絶大でした。

まず、ボディ全体の一体感が圧倒的に高い。

そして、エアサスペンション特有の柔らかさを残しながらも、昔のランドローバーにあった“揺り戻し感”がかなり抑えられています。

特に高速道路。

以前所有していたVWパサートやT-Rocのようなドイツ車に近い、芯のある安定感すら感じました。

正直、「これ、本当にランドローバーか?」と思ったほどです。

電子制御の進化がとにかく凄い

ディスカバリー3時代にも電子制御は存在しました。

しかし、新型ディフェンダーは完全に別世界です。

現在のランドローバーは、

  • Adaptive Dynamics(連続可変ダンパー制御)
  • 電子制御エアサスペンション
  • Terrain Response 2

などを統合的に制御しています。

これによって、コーナリング時や荒れた路面でも、車体姿勢を極めて自然に安定させているのです。

特に印象的だったのは、大柄なSUVとは思えないロール制御。

昔のランドローバーなら「グラッ」と来る場面でも、新型は“スッ”と姿勢を整えていく。

まるでクルマそのものが先回りして制御しているような感覚でした。

階段試乗で感じた「異常な安心感」

今回、ディーラー敷地内のオフロード体験設備も試すことができました。

階段状のセクションをゆっくり登っていくのですが、これがまた凄い。

旧型ディフェンダー時代は、「車体を揺らしながら力技で突破する」という感覚でした。

しかし新型は違います。

タイヤの接地を電子制御で巧みに維持しながら、極めて安定した姿勢で進んでいく。

さらに驚いたのが、車高調整のスピードです。

以前のランドローバー系エアサスは、

「ウィーン……」

と時間をかけて上下していました。

ところが新型は、乗降時にはスッと下がり、オフロードモードでは素早く車高を上げる。

このレスポンスの速さだけでも、世代の違いを強烈に感じました。

元オーナーとして気になる「信頼性」は?

1990年代当時の愛車、黒のランドローバー・ディフェンダー110(リアビュー)の実車写真
駐車場に佇む黒のディフェンダー110。色褪せた1枚のフィルム写真が、不便で愛おしかった当時の濃密な記憶を呼び起こす。

ランドローバー経験者なら、やはり気になるのがここでしょう。

エアサスの耐久性です。

ディスカバリー3時代は、

  • コンプレッサー
  • エア漏れ
  • センサー異常

など、維持に苦労するケースもありました。

私自身、警告灯にヒヤッとした経験があります。

そこで営業担当者にも率直に聞いてみました。

返答としては、

  • システム耐久性は改善傾向
  • 過去世代よりトラブル報告は減少
  • 制御ソフトも成熟している

とのこと。

もちろん、精密な電子制御車なので「完全無故障」とは言えません。

ただ少なくとも、“昔のランドローバーの覚悟”で乗る時代ではなくなっているのは確かだと感じました。

まとめ:「不便さが魅力だった車」は、知的な万能SUVへ進化していた

かつてのディフェンダーは、

「不便だけど、だからこそ愛おしい」

そんなクルマでした。

しかし、新型ディフェンダーは違います。

  • 長距離も快適
  • 家族も乗せやすい
  • 高速道路も静か
  • オフロード性能も本格派

まさに“何でもできるSUV”です。

それでも不思議なことに、ランドローバー特有の冒険心や存在感は、ちゃんと残っている。

試乗を終えて帰る頃には、久しぶりに危険な感情が湧いていました。

「またランドローバーに乗りたい…」

維持費も分かっている。
昔の苦労も覚えている。

それなのに、また惹かれてしまう。

やはりランドローバーというブランドには、人を理性だけでは語れなくする“魔力”があります。