【試乗】ジープ アベンジャー(EV)を見送った理由。「精密機械」のような完璧さが生む違和感とは

充電中のジープ アベンジャーEV(試乗レビュー・見送った理由) 【誤解を正す】輸入車オーナーの本音レポート

新しい相棒探しの旅。実は、あの「イタリアの毒サソリ(アバルト)」という全く新しい扉を開く直前、私の大本命としてリストアップされていた車がありました。

それが、ジープ初のコンパクトSUVであり、100%モーター駆動のEVモデル「アベンジャー(Avenger)」です。

欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、各自動車メディアでも絶賛されているこのモデル。私も大いに期待を胸に膨らませ、実際にディーラーへ足を運びステアリングを握ってきました。

しかし結論から言うと、私はこの素晴らしいクルマを見送る決断をしました。今回は、長年イギリス車やドイツ車を乗り継いできた筆者が、話題のEVを実際に走らせて感じた「カタログには載らないリアルな本音」を忖度なしでレビューします。

アベンジャーの第一印象:サイズもデザインも「完璧」だった

実車を目の前にした時の第一印象は「これは売れる!」という確信でした。

ジープ伝統のセブンスロットグリルを残しつつも、都市部に溶け込むモダンで洗練されたデザイン。そして何より、日本の細い路地や一般的な駐車場でも全く持て余さない、非常に取り回しの良いコンパクトなサイズ感は魅力的です。

内装のインターフェースも最新世代へと進化しており、「これなら毎日の足として文句なしに使える」と、試乗するまでは購入に向けてかなり心が傾いていました。

試乗してわかったEVの「静けさ」と、決定的な「遊びのなさ」

しかし、いざ走り出した瞬間、私の心の中に「ある違和感」が少しずつ芽生え始めました。

正直に白状します。この試乗中、私は実車の写真をただの1枚も撮りませんでした。 ブロガーとして致命的なミスに思えるかもしれませんが、写真を撮ることさえ忘れるほど、その完璧すぎる挙動に心が動かなかった。いや、むしろ「記録に残したい」という欲求さえ湧かなかったのです。

EVならではの静寂さに包まれているのは当然です。しかし、私が最も違和感を覚えたのは「音」や「パワー」そのものよりも、クルマの挙動における決定的な「遊びのなさ(正確性)」でした。

アクセルを踏み込むと、モーター駆動は100%のトルクを瞬時に発生させ、遅れなくダイレクトに車が動きます。それはまるで「計算された精密機械」を操っているかのような、完璧すぎる挙動だったのです。

クルマとの「呼吸」を求めて

誤解のないように言っておきますが、アベンジャーは決して悪い車ではありません。「スムーズで、静かで、正確な移動空間」を求める現代のニーズに対しては、100点満点を出せる素晴らしいプロダクトです。

しかし、長年にわたり内燃機関(エンジン車)を乗り継いできた私には、このデジタルで正確すぎる感覚がどうしても肌に合いませんでした。

アクセルを踏んでから、エンジンが空気を吸い込み、爆発し、ギアを介してタイヤに駆動が伝わるまでの「ほんのわずかなタイムラグ」。機械と人間が呼吸を合わせるための、あのアナログな「遊び」や「タメ」こそが、私にとっての「運転する歓び」だったのだと気付かされたのです。

まとめ:翌日、妻自らが放った「MTのアバルトに乗りたい」という衝撃の一言

ジープのディーラーを後にした私は、どこか満たされない思いを抱えたまま帰宅しました。

「完璧な精密機械ではなく、もっと血の通った、ダイレクトな操作感が欲しい」

そんなモヤモヤを抱えて迎えた翌日のこと。EV試乗の余韻が残る中、なんと妻の口から思いもよらない一言が飛び出したのです。

「私、マニュアルのアバルトに乗ってみたい」

驚きました。アベンジャーの「完璧すぎる静けさと正確さ」を助手席で共に体感していた彼女もまた、私と全く同じように「機械を自ら操るアナログな感覚」を欲していたのです。長年、一緒に輸入車を乗り継いできたからこそ共有できた、言葉にしない感覚のシンクロでした。

妻のその一言で、目の前の霧がパッと晴れました。これまで一度も所有したことのなかった「イタリア車」、しかも自らの手足で操る「MT(マニュアルトランスミッション)」という全く新しい選択肢。

居ても立っても居られず、私たちはすぐにイタリア車のディーラーへと向かいました。そして、そこで私たちの全身の血を沸き立たせる強烈な出会いが待っていたのです。

計算された精密機械ではなく、少しじゃじゃ馬なくらいの刺激的な相棒。私たち夫婦がアベンジャーを見送ってまで心惹かれた、運命のクルマの正体。その興奮の試乗記は、ぜひ以下の記事をご覧ください!

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輸入車と暮らす、35年のリアル

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