【試乗記】ボルボ EX30 クロスカントリーの評価は?35年輸入車を乗り継ぐ筆者が唸った「3.7秒の衝撃」と「大人の足回り」

ボルボ EX30のフロント外観と特徴的なヘッドライト 【誤解を正す】輸入車オーナーの本音レポート
ディーラーで意気投合したボルボオーナーの方からご提供いただいた貴重な一枚。北欧らしい引き算の美学を感じるフロントフェイスです。

「EX30の新しいモデルが入ったんですが、ぜひ乗ってみませんか?」
いつもお世話になっているボルボのディーラーから突然の連絡をもらい、すぐさまショールームへ足を運んできました。

今回試乗したのは、コンパクトEV「EX30」のラインナップに新たに追加された最上級グレード、「EX30 クロスカントリー」です。

これまで35年間にわたり、ローバーミニから始まり、ドイツの質実剛健なディーゼルやイタリアの実用車まで、数々の内燃機関(エンジン車)を乗り継いできた私。最近は最新のEVにも積極的に試乗していますが、どこか「機械としての緻密さ」や「人間味」の部分で、昔ながらの車に軍配を上げてしまうことも少なくありませんでした。

しかし、今回のEX30 クロスカントリーのステアリングを握り、その圧倒的な走りとパッケージングを体感して、正直「EVの進化はここまで来たのか」と唸らされることになりました。

(※ちなみに、本記事に掲載している実車写真は、当日ショールームで偶然お会いし、意気投合したボルボオーナーの方から特別にご提供いただいたものです。試乗のみで撮影できなかった私にとって大変ありがたく、車好き同士のこうした素敵なご縁も、ディーラーに足を運ぶ醍醐味ですね。)

カタログ数値だけでは絶対に分からない、ベテランオーナー視点でのリアルな試乗インプレッションをお届けします。

エクステリア:北欧の自然を宿す「大人の無骨さ」

ボルボ EX30 クロスカントリーのフロントマスクと特徴的なヘッドライト
北欧の引き算の美学を感じるフロントマスク。専用のつや消しブラック加飾が、クロスカントリーらしい力強さを引き立てています。

キャプション:ディーラーで意気投合したボルボオーナーの方からご提供いただいた貴重な一枚。北欧らしい引き算の美学を感じるフロントフェイスです。

実車を目の前にしてまず惹きつけられたのは、通常モデルとは一線を画す「専用エクステリア」の醸し出すオーラです。

  • 最低地上高195mmの余裕: 通常のEX30より20mmリフトアップされています。この「たかが2cm、されど2cm」が効いており、SUVらしい力強いスタンスを生み出しています。
  • 専用のつや消しブラック加飾: ピカピカのメッキではなく、あえてマットな質感で足元やバンパーを引き締めている点に、北欧の洗練された美学を感じます。
  • スウェーデンの地形をイメージしたグリル: EV特有ののっぺりとしたフロントマスクに、さりげない遊び心が加えられています。

全長4,235mmという、日本の道路事情で最も扱いやすいコンパクトなサイズ感でありながら、周囲に埋もれない確かな存在感を放っていました。

インテリア:EV専用設計がもたらす「ミニマリズムと広さ」

運転席に乗り込むと、そこには驚くほどクリーンな空間が広がっていました。

ボルボ EX30のメーターパネル代わりとなる大型センターディスプレイ
運転席の目の前からメーターパネルが消え、エアコンから車両設定まで、すべての機能がこの中央のディスプレイに美しく統合されています。

キャプション:メーターパネルすら廃止され、エアコンから車両設定まで、すべての機能がこの中央のディスプレイに統合されています。

メーターパネルすら廃止され、すべての機能が中央の大型ディスプレイに統合されています。物理スイッチをカチカチと操作することに慣れ親しんできた私のようなアナログ世代からすると、最初は「少しやりすぎでは?」と戸惑う部分もありました。

しかし、これも「EV専用プラットフォーム」の恩恵です。 エンジンや複雑なトランスミッションがないため、室内と荷室のスペースが極限まで広く確保されています。

ボルボ EX30のステアリングホイールと運転席からの視界
運転席からのリアルな視界。メーターすら排除されたクリーンな空間と、手に馴染む上質なステアリングが、これから始まる上質なドライブを予感させます。

キャプション:運転席からの視界。物理スイッチが最小限に抑えられ、視覚的なノイズが全くないモダンな空間が広がります。

スイッチ類が最小限に抑えられていることで視覚的なノイズがなくなり、運転席がまるでモダンな北欧家具のリビングのようになっているのです。少し走れば、このミニマルな空間の居心地の良さにすっかり馴染んでしまいました。

圧倒的な動力性能:ポールスター並みの「3.7秒の俊足」

そして、この車のハイライトは間違いなく「走り」にあります。 今回試乗したツインモーター搭載モデルの動力性能は、控えめに言って「バケモノ級」でした。

  • 0-100km/h加速 3.7秒: アクセルを少し強めに踏み込んだ瞬間、シートに背中が張り付くような強烈なGを体験しました。パフォーマンスモードでの加速感は、ボルボの高性能EVブランドである「ポールスター」に匹敵するほどのインパクトです。かつてのスポーツカーでもなかなか出せないタイムを、このコンパクトなSUVが涼しい顔で叩き出します。

試乗インプレッション:唸らされた「しなやかな足回り」

EVの試乗で私がいつも一番気にするのが、「バッテリーの重さを足回りがどう処理しているか」です。重い車体を支えるためにサスペンションをガチガチに固め、乗り心地が悪くなっているEVは少なくありません。

しかし、EX30 クロスカントリーのセッティングは見事の一言でした。

  • 10%の「しなやかさ」がもたらす極上の乗り心地: 通常モデルと比較して、サスペンションが約10%柔らかく設定されています。この恩恵は絶大で、マンホールや段差を乗り越えた際の「突き上げ感」がほとんどありません。
  • 19インチタイヤとの絶妙なバランス: 試乗車が装着していた大径19インチタイヤは、硬すぎず、路面のアンジュレーションをうまくいなしてくれます。EV特有の静粛性と相まって、クラスを一つ超えたような上質な走行フィールを提供してくれました。
  • ハッチバックのような一体感: 車高が20mm上がっているにもかかわらず、カーブでの「グラつき(ロール)」が見事に抑えられています。フロア下に敷き詰められたバッテリーによる「低重心」と、ボルボらしい「強固なシャーシ剛性」のおかげで、まるで背の低いスポーティなハッチバック車を操っているかのような、運転の楽しさと扱いやすさが両立されていました。

総括:アナログ派の心も動かす「高付加価値な一台」

試乗を終えてディーラーを後にする際、不思議な高揚感に包まれていました。

「EV=家電のようで味気ない」という先入観は、過去のものになりつつあります。 EX30 クロスカントリーは、3.7秒というスポーツカー顔負けの刺激的な動力性能を持ちながら、日常使いでは10%柔らかいサスペンションが極上の快適性を提供してくれる。そして、日本の細い路地も苦にしないコンパクトなパッケージング。

これ一台で、週末のアウトドアから都心の高級ホテルまで、あらゆるシーンをスマートにこなせる「EX30の中で最も高付加価値なモデル」というディーラーの言葉に、深く納得させられた試乗体験でした。

EVへの乗り換えを検討中で、走りの質もデザインも絶対に妥協したくないという大人にこそ、ぜひ一度ステアリングを握ってみてほしい一台です。

【免責事項について】 本記事に掲載している試乗インプレッション、乗り心地の感覚、および加速感の印象は、筆者個人の実体験に基づくものです。車両の乗り味の感じ方には個人差があります。購入をご検討の際は、必ずご自身で正規ディーラーにて実車をご確認いただき、ご試乗の上で判断いただきますようお願いいたします。

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