【実車試乗レビュー】BYD シーライオン7に乗ってきた!ドブロ所有&前T-Rocオーナー(輸入車歴35年)がメリット・デメリットを本音検証

BYD シーライオン7(SEALION 7)の試乗インプレッション用アイキャッチ画像 【誤解を正す】輸入車オーナーの本音レポート
BYD シーライオン7(SEALION 7)の実車試乗インプレッション

結論:EVならではの圧巻の静粛性・シームレスな加速・先進的な室内空間を求めつつ、しっとりした乗り味の「4WDモデル」を選べる方には「買い」です。

495万円〜(※CEV補助金を考慮すると実質450万円台〜)という破壊的なコスパ、15.6インチ回転モニターや安全なブレードバッテリー、広大な後席空間は試乗でも非常に魅力的でした。一方で、全幅1,925mmという大柄な車幅による取り回しや視界の癖、タッチパネルへの機能集約による直感性の低さ、2WDモデルにおける足回りのバタつき感は、カッチリしたドイツ車(前愛車T-Roc)やタフな欧州MPV(現愛車ドブロ)に慣れた層には注意が必要。走りの質感まで求めるなら4WDモデルが強く推奨されます。

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著者情報

著者:Makoto-T

愛車歴

  • 現在の相棒:フィアット ドブロ(1.5L BlueHDi クリーンディーゼル)
  • 前愛車:VW T-Roc TDI(2.0L ディーゼル・5年間所有)
  • 歴代愛車:旧クラシックミニ、旧ディフェンダー110、ディスカバリー3、VW パサートヴァリアント、アウディ A3セダン ほか

試乗実績BYD シーライオン7(実車試乗完了)、テスラ Model Y、ボルボ EX30 クロスカントリー、ジープ アベンジャー EV ほか

Q1. BYD シーライオン7とはどんなクルマ?(実車と基本スペック)

BYD シーライオン7(SEALION 7)とは、中国のEV大手BYDが日本市場へ投入したミドルサイズの電動クーペSUVで、テスラ Model Yなどをライバルに見据えたフラッグシップモデルです。

セダンモデル「SEAL(シール)」譲りの高い走行テクノロジーを備えつつ、SUVならではの実用性と広大な居住空間を両立。駆動方式は後輪駆動の「2WD(RWD)」と、前後ダブルモーターの「4WD(AWD)」の2種類が用意され、495万円〜という戦略的な価格設定で話題を集めています。

シーライオン7 vs VW T-Roc(前愛車) 主要スペック・価格比較表

項目BYD シーライオン7 (2WD)BYD シーライオン7 (4WD)VW T-Roc TDI (前愛車・5年所有)
車両本体価格4,950,000円(税込)※補助金で実質約450万円〜5,720,000円(税込)※補助金で実質約530万円〜約4,500,000〜5,600,000円(参考価格)
駆動方式2WD(後輪駆動 / シングルモーター)4WD(四輪駆動 / ダブルモーター)FF(前輪駆動)
バッテリー / エンジン82.56 kWh(LFPブレードバッテリー)82.56 kWh(LFPブレードバッテリー)2.0L クリーンディーゼルターボ
ボディサイズ全長4,830 × 全幅1,925 × 全高1,620mm全長4,830 × 全幅1,925 × 全高1,620mm全長4,250 × 全幅1,825 × 全高1,590mm
ホイールベース2,930mm2,930mm2,590mm
特長装備15.6インチ回転モニター、50W急速ワイヤレス充電0-100km/h 4.5秒、全天候型AWD物理スイッチ多用の操作系、カッチリした足回り

Q2. 実際に試乗して感銘を受けた「3つの魅力(いいところ)」

ディーラーへ足を運び、実際にドアを開け、シートに深々と腰掛け、試乗コースへ連れ出して感じた「本音の評価ポイント」をお伝えします。

① ドアを開けた瞬間のガジェット感と、後席の圧倒的な広さ

実車のドアを開けて真っ先に目を奪われるのは、15.6インチの大型センタースクリーンです。ボタン操作一つでタテ・ヨコへと電動でスムーズに回転する様子は、まさに最先端のガジェット。クーリングファン付きの50W急速ワイヤレス充電器も使いやすい位置に配置されており、デジタルネイティブ世代でなくともワクワクさせられる室内空間です。

そして、後席に乗り込んで驚いたのがその「広さ」です。2,930mmというロングホイールベースと床面が完全にフラットな構造のおかげで、足元には笑ってしまうほどのゆとりがあります。フロント・リアともに二重の合わせガラスが使われており、静粛性の高さは同価格帯の欧州車を完全に圧倒しています。

② 無音・無振動から立ち上がる、EVならではのなめらかな大トルク

試乗コースへ出てアクセルペダルを軽く踏み込むと、エンジン音やシフトショックは一切なく、車体がスッと滑らかに滑り出します。

現在乗っているドブロ(1.5Lディーゼル)や前愛車T-Roc(2.0Lディーゼル)も、低回転からのトルクフルな走りが自慢ですが、EVのトルクの出方は別次元です。踏み込んだ瞬間に遅れなく立ち上がるレスポンスと静けさは、「ガソリンやディーゼルでは絶対に真似できないEV最大の強み」だと改めて実感しました。

③ 補助金適用で「実質450万円台〜」という破壊的コストパフォーマンス

全長4.8m超、82.56kWhの大容量ブレードバッテリーを搭載したプレミアムクラスのEV SUVが「車両本体価格495万円から買える」というのは、実車に触れた後だと余計にその恐ろしさを実感します。

さらに、国の「CEV補助金」(※車種や年度により約35万円前後が交付)や、お住まいの自治体ごとのEV購入補助金を活用すれば、実質購入価格は450万円台〜にまで収まります。同等サイズの欧州EV(テスラ Model Yやボルボ EX30など)と比較しても圧倒的なプライスアドバンテージです。

また、自動車税や重量税の優遇政策、エンジンオイルやエレメント交換が不要というメンテナンス面のメリットも含め、日常のランニングコスト(固定費)を大幅に抑えられる点も見逃せません。

Q3. 実際に試乗して気になった「4つの注意点・課題」

BYD シーライオン7(SEALION 7)の試乗インプレッション画像
BYD シーライオン7(SEALION 7)の実車試乗インプレッション

一方で、35年間にわたり欧州の剛性高いドイツ車やタフな実用車を乗り継いできたドライバーの「手と足の感覚」からは、明確な課題も見えてきました。

① 2WDモデルと4WDモデルで全く異なる「乗り味と足回りの接地感」

試乗で最も印象的だったのは、足回りのセッティングです。

標準の2WD(RWD)モデルは、綺麗な舗装路での街乗りでは滑らかで心地よいのですが、少し速度を上げたり、荒れた路面やコーナーに入ると、車重に対して足回りのバタつきや収まりの悪さが少し気になりました。前愛車T-Rocが得意としていた「路面にビタッと吸い付くようなフラットライド感」や、ステアリングから伝わるタイヤの接地感に慣れていると、少々「大味」に感じるかもしれません。

走りの質感やしっとりとしたフラット感を求めるなら、前後モーターで車体を制御する「4WD(AWD)モデル」一択です。乗り心地の洗練度が格段に向上します。

② 全幅1,925mmの取り回しと、サイドミラー周りの視界の癖

実際に試乗コースの狭い路地や交差点を曲がる際、全幅1,925mmという車幅はやはり気を使いました。ドブロ(1,850mm)やT-Roc(1,825mm)より10cm近く広く、昔乗っていた旧ディフェンダー110やディスカバリー3を運転しているような緊張感があります。

さらに、厚みのあるサイドミラー形状やAピラーの角度によって見切りにやや癖があり、特に「車体の左前」の感覚が掴みにくく感じました。取り回しに関しては、購入前にご自宅周辺の狭い道で試乗してみることを強く推奨します。

③ 物理スイッチ皆無のタッチパネル操作に対する戸惑い

エアコンの温度調節やドライブモードの切り替えなど、ほとんどの操作が15.6インチの画面内に集約されています。

T-Rocやドブロのように「運転中でも手元を見ずにブラインドタッチでパチッと操作する」ことに身体が馴染んでいると、運転中に画面に視線を送る必要がある点は最後まで少しソワソワしました。音声操作も賢いですが、アナログなスイッチの節度感を愛するドライバーには慣れが必要です。

④ ディーゼル(ドブロ/T-Roc)とは全く異なる充電運用の作法

82.56kWhの大容量バッテリーは魅力的ですが、自宅充電設備がない環境での運用は、街の急速充電スポットに依存することになります。

現愛車のドブロ(ディーゼル)のように「スタンドで数分給油すれば無給油で800km走れる」という感覚とは異なり、200〜300kmごとに急速充電スポットでカフェ休憩を入れるような「ゆとりある旅の作法」に自分のライフスタイルを合わせられるかが分かれ目です。

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Q4. 現愛車ドブロ&前愛車T-Rocオーナーから見た「走りと道具感」のリアル比較

長年ドイツ車(T-Roc)を所有し、現在はイタリア系MPV(ドブロ)のステアリングを握る僕の感覚から、この3台の手触りを比較してみます。

  • 走りと操作性の対比
    • VW T-Roc(前愛車):高剛性ボディとカッチリした物理スイッチによる、ブレない「ドイツ車の走りと信頼感」
    • フィアット ドブロ(現愛車):ディーゼルの太いトルクと、傷や汚れを気にせず気兼ねなく道具として使い倒せる「欧州MPVの実用性」
    • BYD シーライオン7(試乗車):無音の静けさと最新デジタル空間がもたらす「未来的な移動リビング空間」

シーライオン7は、ドブロのような「無骨な働く道具」でも、T-Rocのような「硬派な走りの機械」でもありません。「最新の巨大スマートフォンに乗って静かに移動するエンターテインメント空間」です。

だからこそ、欧州車のカッチリとした走行フィーリングに慣れた人がシーライオン7を選ぶなら、足回りの接地感が引き締まった「4WDモデル」を選ぶのが最も後悔のない選択になると確信しました。

まとめ:BYD シーライオン7はどんな人におすすめ?

結論として、BYD シーライオン7は「補助金を活用すれば実質450万円台〜で手に入る、圧巻の静粛性と空間価値を持った極めて魅力的な選択肢」です。

35年間、イギリス、ドイツ、イタリアの名車や実用車を愛してきた目線で実際に試乗してみても、この価格でここまでの静粛性と装備をパッケージングしてきたBYDのプロダクト力には素直に唸らされました。

どんな人におすすめか?

  • おすすめな人(Target)
    • 最新のデジタル空間、回転モニター、EVならではの圧倒的静粛性を実質450万〜500万円台で手に入れたい人
    • 後席に家族やゲストを乗せることが多く、広い足元空間と快適性を最優先したい人
    • 走りの質感にこだわり、しっとりとした足回りの「4WDモデル」を検討できる人
  • 見送るべき人
    • 全幅1,925mmという車幅に不安があり、日本の狭い路地や古い駐車場を日常的に使う人
    • T-Rocやドブロのように、直感的な物理スイッチの操作感やカッチリした道具感を絶対視する人
    • ディーゼル車のように「無給油・ノンストップで700km以上走破する」使い勝手を求める人

ネットの情報だけで判断せず、実際に試乗してアクセルを踏み込み、車幅感やタッチパネルの操作性をご自身の五感で確かめてみること。それこそが、後悔しない車選びへの一番の近道です。

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